るるみマウスストーカー

本棚


こすめと親心/ごめんね青春

ごめんね青春というドラマがある。日曜劇場、2014年のものだ。

当時は19歳くらいだったかな。私はこのドラマを毎週、楽しみに見ていた。

普通に面白かったからだ。

…ここからしばらく話が逸れる。

最近U-NEXTを見ている。

というのも、今放送されているドラマのVIVANTにハマってて、4話の録画だけ無くなってしまったのでそれを見るために無料お試し期間なら、と思い登録した。多分継続するが。

U-NEXTには国内ドラマがたくさんあった。

その中で、お、懐かしいと目に止まったのがごめんね青春。私はもう一度見ることにした。面白かったな~って記憶しか無かったから。

よく、𓏸𓏸(作品)を記憶を消してもう一度見たいな~というオタクが沢山いる。オタクになるレベルで好きなものはなかなかそうすることはできない。

しかしなんとなく見てたドラマとかだと、確かに面白かったが、何が良かったんだっけ?って詳しく思い出せないことも多々ある。

確か面白かったよな、こういう設定で…それでオチはなんだっけ?。面白かったという確約がある中で、2度楽しむことができるのがお得感もありつつ、当時の自分の記憶も手繰り寄せることができればと思って見始めたのだ。

…それてる上に、長くてごめん。

ごめんね青春の第8話を見た。いや、8話以前も、心を揺さぶられるようなストーリーが、たくさん詰まってるのだが、特に自分の心にグッときたのは「コスメくん」の話だ。もちろん作中のあだ名である。

コスメは、男の子だけどかわいい服が着たい男子校の生徒。今回の男子校と女子校の合併にて、やっと女子の制服を着て登校できると思い、勇気を出して着てみた。ゲイであることのカミングアウトもした。生徒にはサラッと、「コスメはコスメだよ」と受け入れられた矢先に、コスメが所属している男子校の理事長であるお堅いパパに、「今までお前を男として育ててきた。女子の制服を着るなんて許さない」と、それはもうたいそうにブチ切れ怒鳴られて、なんやかんやある話なのだが…。

昔の自分は、「男の子でも可愛いものが好きでいいと思う」という、ぼんやりした、生徒目線の肯定的なスタンスで見ていたな、ということを思い出した。

大人になり、子を持つ親として今思うことは、子供が性同一性障害であったことよりも、「自分がいままで良かれと思い、親として子供にやってきたことは間違っていたのか」という、ショックや、焦り、親と子だから、別の個体だから、本当(100%)の意味で気持ちを理解してやれないことへのやるせなさ…そういった物が、押し寄せてくるのだなと思った。

コスメのパパも、上の女の子二人の次に、待望の男の子が生まれてきてくれて、嬉しくて嬉しくて、キャッチボールをしたり、一緒にお風呂に入ったり、男としての関係を築き上げてきたという。

おめでとうございます、男の子ですよと言われ、産まれた待望の「息子」を初めて抱き上げ、どんな感情だったのか…。

息子を大切に育ててきたが、性の違和感に悩まされた息子を、苦しめてたのは自分だったのか…

認めるに認められなかったのだなと思う。

コスメのことをじゃなくて、自分の心を。

子育てに正解は無い。答え合わせなんてしようがない。あの時こうしてれば、というのはたまにあるかもしれんが、それよりも前にもう事は既に起こってることが多い。毎日の積み重ねが未来を作るとしか言えない。

だから今日から、今までの自分のことを許して、息子を認めて、これからいい方向に進んでいくようにする。

そういうことを感じた。

親にならないと気が付かなかったかも。

自分も子供がやりたいこととか、素直に言える環境をつくれたらいいとおもった。

ドラマの方はなんやかんやあり、円満に終わった。

ちな、めちゃくちゃ泣いた。